2014年 07月 06日
心にずっと残っていく言葉 |
「(前略)人というものはあっけなく死んでしまうものだ。人の生命というのは君が考えているよりずっと脆いものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔したりするような人間を僕は好まない。個人的に」
一定の周期毎に読み返している小説の一節。私がその作家を好きな理由は数えきれないほどあるのだけれども、その一つが、彼の文章から伝わってくる、人としての誠実さ。誠実でありつづけようとすることは本当に難しくて、でもその難しさを思うときに、私はこの小説の中の台詞をよく思い出す。
歳を重ねるほどに、そうやって何度も読み返す小説の一節や、誰かから言われた言葉なんかが自分の中に蓄積されていって、自分を作り上げているんだなあ、ということを実感する。先月末に大学院の最後の授業や課題が終わって、夏休みに入って、なんだか呆けた毎日を送る中、大事にしてきた小説を一通り読み返しているんだけれども、驚くほど、そのことを痛感している。そういう小説や言葉、そういうものを含めた何らかの大事な記憶がいくつも自分の中が蓄積されていることは、一方で自分を固めていく過程なのかもしれないけれど、たぶん記憶にも残らなかったその他の大量の言葉からそれらを選んできた結果でもあると思うので、やっぱり私は歳を重ねるっていいものだなあとしみじみ思う。
一定の周期毎に読み返している小説の一節。私がその作家を好きな理由は数えきれないほどあるのだけれども、その一つが、彼の文章から伝わってくる、人としての誠実さ。誠実でありつづけようとすることは本当に難しくて、でもその難しさを思うときに、私はこの小説の中の台詞をよく思い出す。
歳を重ねるほどに、そうやって何度も読み返す小説の一節や、誰かから言われた言葉なんかが自分の中に蓄積されていって、自分を作り上げているんだなあ、ということを実感する。先月末に大学院の最後の授業や課題が終わって、夏休みに入って、なんだか呆けた毎日を送る中、大事にしてきた小説を一通り読み返しているんだけれども、驚くほど、そのことを痛感している。そういう小説や言葉、そういうものを含めた何らかの大事な記憶がいくつも自分の中が蓄積されていることは、一方で自分を固めていく過程なのかもしれないけれど、たぶん記憶にも残らなかったその他の大量の言葉からそれらを選んできた結果でもあると思うので、やっぱり私は歳を重ねるっていいものだなあとしみじみ思う。
by moriyumi0721
| 2014-07-06 13:38
| 本