2012年 08月 08日
帰国中に読んだ本メモその1:滝田明日香『晴れ、ときどきサバンナ』 |
ケニアで獣医をしている著者が21歳のときに初めて訪れたアフリカで
その魅力につかれ、アフリカにとどまるために試行錯誤を繰り返し、
やがてケニアで獣医学を学び直す決心をするまでの経緯を描いたエッセイ。
彼女は以前、愛読している村上龍主催のメールマガジンに寄稿者として参加していて、
ケニアでの獣医としての生活をエッセイを寄せていた。
当時から、彼女がつづる、自分とあまりにかけ離れ、想像もできない世界に
魅せられていたので、彼女がその道を選ぶ経緯を知りたいと思っていた。
このエッセイを読むまでまったく知らなかったのだが、
彼女は6歳で日本を出てから、父親の仕事のため、
同じ土地に3年以上暮らしたことがないぐらい、
世界を転々としてきたらしい。
その間住んでいたシンガポールでたびたび訪れていた動物園と鳥類園で
動物、とくにアフリカ大陸の大型動物に魅せられていき、
「将来は動物に囲まれながら大自然の中で暮らしたい」と思い、
動物学の研究者を目指し、アメリカの大学で動物学を学んでいた。
ところが、ひょんなことからケニアのマサイマラ国立保護区内にある、
父親の知り合いが開いたロッジで一年間働くことになり、
そこからアフリカの魅力に魅せられていった、とのこと。
アフリカに関しては、私はほとんど何も知らない。
アフリカに関連する映画や本ですら、10も見たり読んだりしていないと思う。
あとは、同じくアフリカに魅せられていた友人に話を聞いたり、
イギリスでのフラットメイトだった南アフリカの友人から少しだけ現地の話を
聞いたぐらい。
なので、このエッセイに出てくるほとんどすべてのことが初めて知ることばかり。
そんな未知の世界にまさに体当たりで飛び込んでいく筆者の姿を目の当たりにし、
彼女が自分と4つしか歳が違わない事実に対して、
彼女がとてもとても眩しく見える反面、私はいままで何をしてきたんだろうと、
軽くへこんでしまったり。。
特に興味深かったのは、マサイ族の文化に嫉妬の概念がないということ。
嫉妬は誰でも自然に持つ感情だと思っていたけれども、
仮に、それすらも文化的に学習して身につけていくものだとすると、
私たちが普段無意識に「常識」だと思っていることなんて、
本当にほとんどすべてが文化的に作られてきた概念でしかないんだろなと
改めて驚いてしまう。
もうひとつ、とてもどきっとしてしまったのは、
彼女があらためて獣医を目指す決心をしたときの一節。
「『君は一体何がやりたいんだ。今のままでは動物に詳しい人、
それで終わってしまうだろう』とある人に言われ、
今の私は動物に詳しい人、それだけだった。ただのアフリカ好きでは
終わりたくない。自分の分野でプロフェッショナルにならなければ。
自分の中でそんな気持ちがふつふつを湧き始めていた」
その結果、彼女はケニアで獣医学校に通うため、再びアフリカに戻ることを決め、
2000年にナイロビ大学獣医学部に入学し、5年後に現地で獣医となる。
彼女はあとがきでも、以下のように書いている。
「何かになるのは簡単だったり難しかったりする違いはあっても、
努力次第である程度可能なことである。でも『○○になる』というのは、
人生のゴールではなく人生の通過点に過ぎないのではないかと私は思う。
私にとって獣医師になるのが人生の通過点であり、獣医師になって
何ができるかというのがもっと大切な課題であるっゆに。
そして、自分自身、『アフリカに住みたい』という安易な憧れで
単身アフリカに渡り、かなり苦労したので言えることは、
『アフリカに住んで、自分が何をできるか」を見つけることだと思う」
その魅力につかれ、アフリカにとどまるために試行錯誤を繰り返し、
やがてケニアで獣医学を学び直す決心をするまでの経緯を描いたエッセイ。
彼女は以前、愛読している村上龍主催のメールマガジンに寄稿者として参加していて、
ケニアでの獣医としての生活をエッセイを寄せていた。
当時から、彼女がつづる、自分とあまりにかけ離れ、想像もできない世界に
魅せられていたので、彼女がその道を選ぶ経緯を知りたいと思っていた。
このエッセイを読むまでまったく知らなかったのだが、
彼女は6歳で日本を出てから、父親の仕事のため、
同じ土地に3年以上暮らしたことがないぐらい、
世界を転々としてきたらしい。
その間住んでいたシンガポールでたびたび訪れていた動物園と鳥類園で
動物、とくにアフリカ大陸の大型動物に魅せられていき、
「将来は動物に囲まれながら大自然の中で暮らしたい」と思い、
動物学の研究者を目指し、アメリカの大学で動物学を学んでいた。
ところが、ひょんなことからケニアのマサイマラ国立保護区内にある、
父親の知り合いが開いたロッジで一年間働くことになり、
そこからアフリカの魅力に魅せられていった、とのこと。
アフリカに関しては、私はほとんど何も知らない。
アフリカに関連する映画や本ですら、10も見たり読んだりしていないと思う。
あとは、同じくアフリカに魅せられていた友人に話を聞いたり、
イギリスでのフラットメイトだった南アフリカの友人から少しだけ現地の話を
聞いたぐらい。
なので、このエッセイに出てくるほとんどすべてのことが初めて知ることばかり。
そんな未知の世界にまさに体当たりで飛び込んでいく筆者の姿を目の当たりにし、
彼女が自分と4つしか歳が違わない事実に対して、
彼女がとてもとても眩しく見える反面、私はいままで何をしてきたんだろうと、
軽くへこんでしまったり。。
特に興味深かったのは、マサイ族の文化に嫉妬の概念がないということ。
嫉妬は誰でも自然に持つ感情だと思っていたけれども、
仮に、それすらも文化的に学習して身につけていくものだとすると、
私たちが普段無意識に「常識」だと思っていることなんて、
本当にほとんどすべてが文化的に作られてきた概念でしかないんだろなと
改めて驚いてしまう。
もうひとつ、とてもどきっとしてしまったのは、
彼女があらためて獣医を目指す決心をしたときの一節。
「『君は一体何がやりたいんだ。今のままでは動物に詳しい人、
それで終わってしまうだろう』とある人に言われ、
今の私は動物に詳しい人、それだけだった。ただのアフリカ好きでは
終わりたくない。自分の分野でプロフェッショナルにならなければ。
自分の中でそんな気持ちがふつふつを湧き始めていた」
その結果、彼女はケニアで獣医学校に通うため、再びアフリカに戻ることを決め、
2000年にナイロビ大学獣医学部に入学し、5年後に現地で獣医となる。
彼女はあとがきでも、以下のように書いている。
「何かになるのは簡単だったり難しかったりする違いはあっても、
努力次第である程度可能なことである。でも『○○になる』というのは、
人生のゴールではなく人生の通過点に過ぎないのではないかと私は思う。
私にとって獣医師になるのが人生の通過点であり、獣医師になって
何ができるかというのがもっと大切な課題であるっゆに。
そして、自分自身、『アフリカに住みたい』という安易な憧れで
単身アフリカに渡り、かなり苦労したので言えることは、
『アフリカに住んで、自分が何をできるか」を見つけることだと思う」
by moriyumi0721
| 2012-08-08 23:40
| 本